工務店や建築業界のこれからについて
オリンピックと日本の建築業界
昨今話題になった、東京オリンピックのメインスタジアムとなる「新国立競技場」についても、当初案であった海外デザイナーによる複雑なデザインも、現在の割合シンプルなデザインも、これらは、コンピュータを用いた複雑な構造計算によって初めて成り立つものでした。
しかし、それらを実際に組み立てていくのは、多くの職人と、彼らの熟練した技術によって初めて成り立つものなのです。
現実として、建築業、特に熟練した技術を有した職人の数は減り続けており、それらの中にはコンピュータで代用可能な部分もありますが、特に、木材の加工などにおいては、今でも人間の手の繊細な感覚でないと実現できない部分も多々あり、そういう意味においては、工務店の存在意義は非常に重要なのです。
これからの建築、建設について
何かの建物を建てる、というのは、どんな場合でも「土地」というものと切り離して考えることはできません。
そのため、「建築」「建設」を考えるときは、「土地」というものをセットで考えなければいけません。
それらを踏まえていくと、これからの日本において「土地」は、増えていきます。
それは「管理者が不明、あるいは居ない土地」という意味です。
長く続く不況と、今後も続くことがほぼ明らかな人口減少は、管理の届かない土地が増えることを意味しています。
そういった土地に建物を建てるとしたら、かつてのバブル時代のような「とにかく大きくて豪華」ではなく、今まで以上に「その土地の歴史や環境に寄り添った」建物が大事になってきます。
つまり、そうした建物を建てることを方針としている建築会社や工務店に、特に注目することが良いと考えられます。